礼文島香深井2遺跡出土石器の使用痕分析

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  • Use-wear analysis of stone tools from the Kafukai 2 site, Northern Hokkaido
  • レブントウ コウ フカイ 2 イセキ シュツド セッキ ノ シヨウコン ブンセキ

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抄録

本研究の目的は、鈴谷文化期が中心的な時期となる北海道礼文町香深井2遺跡から出土した剥片石器43点、石斧1点の機能・用途解明にある。石器使用痕分析法(高倍率法)によって検討した結果、つぎの点が明らかになった。1) 石鏃および尖頭器にはポリッシュが確認されない、2) 掻器には1点中1点、削器には19点中2点にポリッシュが認められ、すべて皮なめしに用いられていたと推定される、3) 石斧には1点中1点に高瀬2類のポリッシュが確認されたが、刃部ではなく基部の主面上に分布しており線状痕は不明瞭であった。形態学的に見て横斧の前主面に分布するポリッシュと考えられ、膝柄に着柄された横斧の着柄痕と推定される。本稿で扱った資料には縄文文化やオホーツク文化の資料も混在していると考えられるが、分析結果はすでに明らかになっている続縄文文化前期・縄文・オホーツク文化の石器の利用法を逸脱することなく、むしろそれと整合的である。道北部の離島においても、これまで知られているものと類似した方法で石器が利用されていたと考えることができる。

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