強度行動障害のある人の鳥取県における総人口調査

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タイトル別名
  • Total population survey of people with severe behavioral disorders in Tottori prefecture of Japan
  • キョウド コウドウ ショウガイ ノ アル ヒト ノ トットリケン ニ オケル ソウ ジンコウ チョウサ

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抄録

<p>強度行動障害の地域での支援体制整備のためには対象に関する総人口調査が必要である。本研究は鳥取県が2017年に全県の福祉事業所・特別支援学校に実施した無記名調査よりデータの提供を受け分析したものである。福祉事業所や特別支援学校から強度行動障害判定基準10点以上または行動関連項目10点以上を対象として返送された回答数は182名であり、強度行動障害判定基準10点以上は144名であった。これは調査時の県内療育手帳所持者の約2.6%にあたり、国の推計と比較すると倍以上の数値であった。また強度行動障害判定基準10点以上の対象者のうち行動関連項目で10点未満であった者が14名(9.7%)存在した。この14名は強度行動障害判定基準得点の平均が12点、かつ「ひどい自傷」、「強い他傷」、「著しい多動」、「粗暴で恐怖感を与え、指導困難」などの項目得点が低い傾向が示され、このようなタイプの人にとっては行動援護などの支援対象から外れるリスクがあることを示した。年齢、性差、障害支援区分、併存診断、居住形態、行動問題の種類別の分析データについて統計的分析を行い、他地域の調査データや海外研究と比較し考察した。今後、国内複数地域における強度行動障害に対する総人口調査、縦断的な調査の必要性と国や地域レベルの支援政策の必要性について指摘した。</p>

収録刊行物

  • 自閉症スペクトラム研究

    自閉症スペクトラム研究 19 (2), 25-34, 2022-02-28

    NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会

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