組織透明化技術と3Dイメージングによる膵神経内分泌腫瘍へのアプローチ

書誌事項

タイトル別名
  • A new approach to pancreatic neuroendocrine tumors using tissue clearing technology with three-dimensional imaging

抄録

<p>従来の病理組織学的検索は,組織検体を物理的に薄切してガラスに貼り付けた後,目的に応じた染色を施し,光学顕微鏡で観察を行う流れが一般的である.この手法により,様々な病態が評価されているが,標本作製の過程で組織の3次元性は消失しており,観察者が評価できるのは検体全体のごく一部である.組織透明化は近年,技術的に発展してきた組織学観察の一手法である.組織透明化とは,本来は光を通さない組織検体に特殊な化学処理を行うことにより,光学顕微鏡で組織内部の観察を可能とする技術である.この技術を用いることで,組織全体を3次元で観察することが可能となり,将来的には組織を薄切することなく病態の評価ができるようになる可能性もある.ここでは,組織透明化技術を概説するとともに,我々が取り組んでいる膵神経内分泌腫瘍への応用研究について紹介する.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 38 (1), 44-50, 2023-02-28

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (19)*注記

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