94歳で新規発症,インスリン療法を必要とした緩徐進行1型糖尿病の1例

DOI
  • 畑山 朋美
    九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 筑後川温泉病院内科
  • 横溝 久
    九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科 福岡大学病院内分泌・糖尿病内科
  • 宮澤 崇
    九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 坂本 竜一
    九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 宮本 哲哉
    筑後川温泉病院内科
  • 小川 佳宏
    九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A 94-year-old Woman Diagnosed With Slowly Progressive Type 1 Diabetes Mellitus (SPIDDM) Who Required Insulin Therapy

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説明

<p>症例は95歳,女性.X-1年11月にHbA1c 9.7 %,空腹時血糖199 mg/dLであり,糖尿病と診断された.X年4月にHbA1c 11.0 %,随時血糖394 mg/dL,空腹時血中Cペプチド0.92 ng/mL,GAD抗体(ELISA法)1740 U/mLであり,緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)と診断された.SPIDDMは40,50歳代の発症が多いが,65歳以上の高齢発症糖尿病においても10 %程度の割合で存在する.後期高齢で糖尿病を発症し,その後SPIDDMと診断された症例を検索した結果,女性に多く,インスリン分泌能が低下している症例が多かった.記載のある全例(1例を除く)が診断時HbA1c 8.0 %以上であった.高齢発症糖尿病患者においても,緩徐進行型を含む1型糖尿病が存在するため,血糖コントロール不良の症例は1型糖尿病も鑑別に精査を行う必要がある.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 66 (2), 139-150, 2023-02-28

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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