ホルスタイン種育成牛の血漿中代謝ホルモン濃度に及ぼす血管作動性腸管ポリペプチド(VIP) の影響

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  • Effects of vasoactive intestinal polypeptide (VIP) injection on plasma metabolic hormones in Holstein calves

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説明

血管作動性腸管ポリペプチド(VIP) は,1902 年にブタの血管から単離され発見された消化管ホルモンである。しかしながら,VIP の投与が副腎皮質系のエネルギー代謝に与える影響を調べた研究はin vitro を除いてほとんど行われていない。そのため,本研究では育成牛へのVIP 投与が血中グルコース,遊離脂肪酸(NEFA),インスリン,およびコルチゾール濃度に与える影響を調べた。VIP は各育成牛に頸静脈カテーテルから10μg/kg BW を投与した。血中グルコースおよびNEFA 濃度はほぼ一定の濃度で推移しており,対照区と比較して有意差は認められなかった。血中インスリン濃度は投与後15 ~ 30 分にかけて対照区と比較して僅かに高い値を示したものの,有意差は観察されなかった。しかしながら,血中コルチゾール濃度は対照区と比較して投与後10,20 (P<0.01) および30(P<0.05) 分において有意な上昇が観察された。グルコースおよびびNEFA の変化を伴わないコルチゾール濃度の上昇が認められたことから,VIP 投与による血中グルコースおよびNEFA 濃度の増加に副腎皮質系経路のエネルギー代謝作用が関与していないことが判明した。

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