人工冬眠の実現にむけた休眠研究の取り組み

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タイトル別名
  • Torpor research toward the synthetic hibernation
  • ジンコウ トウミン ノ ジツゲン ニ ムケタ キュウミン ケンキュウ ノ トリクミ

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抄録

動物は冬季や食料不足に直面すると,生命機能を必要最小限に絞り込むことで,能動的にエネルギー必要量を減らす戦略をとることがある.これを「休眠(torpor)」と呼び,休眠する期間によって数ヶ月にわたる季節性の冬眠(hibernation)と,数時間程度の日内休眠(daily torpor)の2つに大別される.休眠の驚くべき特徴は,代謝と体温が低下するだけではなく,休眠から醒めた後に生体がなんら障害を受けずに正常に機能することにある.もし低代謝耐性と低体温耐性を人間に実装すること(人工冬眠)ができれば,呼吸・循環不全に代表されるようなエネルギー供給不足が問題となる疾患への新しい治療法になることが期待される.

収録刊行物

  • 低温科学

    低温科学 81 141-147, 2023-03-20

    低温科学第81巻編集委員会

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