ナミビア北中部農牧社会における新農法導入にともなう在来知と農業実践の変化

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書誌事項

タイトル別名
  • Changes in Local Knowledge and Agricultural Practices through the Introduction of New Agricultural Methods in North-central Namibia:
  • The Case of the SATREPS Project
  • ─SATREPSプロジェクトを事例に

説明

<p>本研究は,アフリカの在来農業におけるイノベーションが生じるプロセス理解のための一事例として,ナミビア北中部の農牧社会を対象に,農家が有している在来知や農家の認識が変化する要因やその過程に関する知見を報告する。具体的には,同地域を対象に実施された地球規模課題対応国際科学技術協力 (Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development: SATREPS) プロジェクトの実施期間において,農家がプロジェクトの提案する外来技術を受容/拒否する判断の際に在来知がどのように作用するのかを明らかにした。ナミビア北部の農牧社会において,農家がこれまでに経験をしたことのない小湿地の農業利用という農業技術をプロジェクト側から提案された際に,農家は作物の作付けと小湿地の生態環境に関する在来知を組み合わせ,新たな農業実践を行っていた。他方,プロジェクトが提案した内容と農家の農業実践の間には齟齬がみられた。その理由として,農家が在来知を持ち合わせていなかったイネの栽培という新技術は,農家が日常的に実施している実験の一環として比較的農家に受容されたのに対し,トウジンビエやモロコシの湿地栽培という既存の在来知の改変をともなう提案については,農家が有する在来知に即して合理的でないと判断され,拒否に繋がった可能性があることを指摘した。</p>

収録刊行物

  • アフリカ研究

    アフリカ研究 2022 (101), 21-34, 2022-05-31

    日本アフリカ学会

参考文献 (5)*注記

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