網膜芽細胞腫の患児における幼児期からの義眼のセルフケアの実態と獲得過程

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  • Status quo of prosthesis care by children with retinoblastoma undergoing enucleation and care learning

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抄録

<p>眼球摘出術を受けた網膜芽細胞腫の患児は,義眼装用を開始し義眼のセルフケア習得が必要となる.本研究は網膜芽細胞腫の患児の幼児期からの義眼のセルフケアの実態とその獲得過程を明らかにすることを目的とした.患児へ義眼のセルフケアを移行した経験のある3~10歳の患児の母親18名を対象に半構造化面接を実施した.質的記述的デザインを用い,語りを要約してサブカテゴリー,カテゴリーを生成した.母親の年齢の中央値(最小–最大)は38(35–46)歳,患児の眼球摘出時の月齢の中央値(最小–最大)は19(1–59)か月であった.義眼のセルフケアの実態として91サブカテゴリーから,[自分で義眼ケアをやろうとするタイミングで実施を促す][子どもの義眼ケアの目的の理解を促し意欲を高める][スポイトを義眼に吸着させて外す][1日装用した義眼を洗浄や拭き取りにより清潔にする][義眼着脱時の自分の感覚を大事にする]など33カテゴリーが抽出された.義眼のセルフケアの内容には準備から,着脱と清潔保持,義眼の破損や落下予防とプライバシーの保護などが含まれ,ケアの方法は多様で工夫されていた.母親は,眼球摘出後の眼に向き合う怖さと発達過程にある子どもへ義眼ケアの理解と手技を促す難しさを感じていたことから,眼球摘出後の入院中から,眼の状態や生活に応じたケアの方法に関する教育と,子どもの主体性を尊重したセルフケア獲得への支援の必要性が示唆された.</p>

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