小児気管切開患者の長期経過に関する全国調査

  • 仙田 里奈
    北海道立子ども総合医療・療育センター 小児耳鼻咽喉科 札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 角木 拓也
    札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 黒瀬 誠
    札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 守本 倫子
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科
  • 高野 賢一
    札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • National Survey on the Long-Term Course of Pediatric Tracheostomy Patients
  • ショウニキカン セッカイ カンジャ ノ チョウキ ケイカ ニ カンスル ゼンコク チョウサ

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抄録

<p>小児気管切開術は長期の気道・呼吸管理の管理に必須の治療である。経過の中で多様な合併症を引き起こすため,気管切開術の術式や術後の管理においてさまざまな工夫が求められることも多い。また,気管孔閉鎖においては確立されたプロトコルが存在せず各施設の経験に頼られている部分が大きい。周産期・小児医療の発達により今後も小児気管切開患者の増加が見込まれるため,その管理において指標となるデータおよびプロトコルが必要になると考える。今回われわれは,小児気管切開患者の安全な気道管理および気管孔閉鎖の実現を目的とした全国調査を実施した。対象施設202施設中57施設から回答を得た。過去10年間に小児気管切開術を施行している施設は29施設であり,過去1年間に行われた小児気管切開術症例は全196例であった。術式や術前の経過については各施設直近20症例,長期経過における合併症と気管孔閉鎖については過去10年間の症例で検討した。合併症の発症率が成人と比較して多い可能性や,気管孔閉鎖率が1割程度に留まることが明らかとなった。今後は長期管理や気管孔閉鎖についての共通認識を深めることが望まれる。</p>

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参考文献 (8)*注記

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