「いそのはまにつるのこゑごゑなくを」に関する一考察 : 紫式部集試論

安藤 重和

doi:10.18999/nagujj.100.28

「いそのはまにつるのこゑごゑなくを」に関する一考察 : 紫式部集試論

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安藤重和

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タイトル別名

イソノハマニツルノコエゴエナクオニカンスルイチコウサツムラサキシキブシュウシロン

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説明

紫式部集二一番の「いそのはまにつるのこゑごゑなくを」に関して考察を加え、「浜」には「いそ」を除外しない用法があり「いそのはま」は普通名詞と解し得ること、また夏に「つるのこゑごゑなく」とあるのはコウノトリのことであることを、古代中国以来「鶴」という語は鶴類もコウノトリも含む概念で用いられ、コウノトリは「千歳之鶴」として当時の「鶴」を代表し「声」「鳴く」と表現され、人々が一年中コウノトリと近く交わっていたので紫式部が「こゑ」だけで「たづ（コウノトリ）」と識別し得たこと等に拠り指摘し、ニ一番を越前下向時の詠として良いと結論した。