「いじめの四層構造論」を検証する : 「いじめ問題」解体に向けての予備的考察

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書誌事項

タイトル別名
  • An examining “four concentric circle model of bullying” : a preliminary consideration toward the deconstruction of ‘bullying as a social problem’
  • 「 イジメ ノ ヨンソウ コウゾウロン 」 オ ケンショウ スル : 「 イジメ モンダイ 」 カイタイ ニ ムケテ ノ ヨビテキ コウサツ

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説明

1980年代以降、「いじめ問題」は日本の教育を巡るもっとも大きな社会問題のひとつであり続けてきた。そして、およそ40年にわたって報道され、論じられる際に参照されてきた社会学的なモデルのうちもっともよく参照されてきたのが森田洋司の提唱した「いじめの四層構造論」であった。いまだに問題であり続けている「いじめ問題」を検証するにあたって、この論考では手始めとしてこのモデルを取り上げて検証した。検証の結果、あきらかになったのは(1)四層構造モデルの妥当性は調査データによっては裏づけられないこと、(2)著書でこのモデルを一般に公表する際に、自身の主張に合わせるために報告書で示されたモデルを恣意的に改変していること、(3)著書でいじめの深刻さを訴えるために示された事例はいずれも四層構造モデルによっては説明できないことなどである。後半の論考では調査データを子細にたどりなおすことで、四層構造モデルに代わるモデルを提案した。その代替モデルは比較的少人数の遊びグループ内の暴力が問題であることを示唆している。

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