Pleomorphic lipoma との鑑別に苦慮した Pleomorphic broma の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Pleomorphic Fibroma Mimicking Pleomorphic Lipoma

抄録

<p>81歳,女性。初診 3 年前に右下腹部に自覚症状のない結節が出現,徐々に増大し乳頭腫状変化を認めるようになった。全摘生検を行った結果,真皮から皮下脂肪織にかけて密な膠原線維増生と異型紡錘形細胞,多核巨細胞のまばらな増殖,成熟脂肪細胞を認めた。免疫染色では CD34p16 陽性でKi-67 index 10%であり Pleomorphic lipoma もしくは Pleomorphic broma 両者の特徴を有していた。Pleomorphic lipoma Pleomorphic broma は予後良好な良性腫瘍であり,Pleomorphic lipoma は軟部組織腫瘍,Pleomorphic broma は皮膚腫瘍に分類される別疾患と考えられている。 一方,両者は多彩な病理組織像・バリアントを示し,時に鑑別が困難なことも少なくない。また近年,癌抑制遺伝子である RB1 遺伝子欠損が両疾患で確認されている。自験例は最終的にPleomorphic broma と診断したが,典型例はともかく中間に位置する病態が存在する可能性があり得ることも考慮に入れ,症例の蓄積を待つべきである。 (皮膚の科学,22 : 109-113, 2023)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 22 (2), 109-113, 2023

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578847126919552
  • DOI
    10.11340/skinresearch.22.2_109
  • ISSN
    18839614
    13471813
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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