糖アルコール添加こんにゃく粉水懸濁液の粘弾性

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タイトル別名
  • The viscoelasticity of konjac dispersions in the presence of sugars alcohol

抄録

<p>【目的】こんにゃく粉を増粘剤として食品に使用する際,糖類が共存している場合が多い。これまでの研究より,こんにゃく粉にショ糖などの糖を添加すると,ある濃度までは粘弾性が高くなるが,ある濃度を超えると粘弾性は低下することがわかっている。これは類がこんにゃく粉の膨潤に影響するためと考えられる。そこで本研究では,糖アルコールによるこんにゃく粉への作用について調べるために,糖アルコール添加こんにゃく粉水懸濁液の粘弾性について検討した。 </p><p>【方法】こんにゃく粉には優良こんにゃく粉((株)丸山商店)を用い,その濃度は0.5 wt%とした。糖アルコールにはソルビトール(和光純薬工業(株))とエリスリトール(寿物産(株))を用い,添加濃度は0~70 wt%とした。試料の粘弾性は,定常ずり粘度のずり速度依存性,貯蔵弾性率と損失弾性率の周波数依存性測定により検討した。 </p><p>【結果】糖アルコール添加こんにゃく粉水懸濁液の粘度は,糖アルコール濃度20 wt%までは,糖アルコール濃度が高くなるほど高くなり,それ以上の濃度では低下した。糖の添加はこんにゃく粉が膨潤するための水を奪うことで,こんにゃく粉の増粘効果を阻害した。糖アルコールにおいても過剰な添加はこんにゃく粉の膨潤を妨げることがわかった。また,糖無添加の試料は分子鎖の絡み合いがない液体的な挙動だったが,ソルビトールを添加すると,添加濃度20 wt%程度までは,分子鎖の絡まり合いが支配的な溶液型の粘弾性挙動であった。一方,エリスリトールの添加によっては分子鎖の絡まり合いは多くならなかった。したがって,ソルビトールを20 wt%以下で添加すると,こんにゃく粉の絡まり合いが増やすように作用することがわかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578902349102848
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_111
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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