スポンジケーキの配合が食味および性状に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of sponge cake formulation on the taste and properties
抄録
<p>【目的】スポンジケーキの一般的な材料は卵,砂糖,薄力粉であり,各材料の特性がスポンジケーキの膨らみ,きめの細かさ,硬さ,外観などに影響する。また,主に風味付けのためバターを使用する配合もある。本研究では,材料の配合割合がスポンジケーキの食味および性状に与える影響について,検討を行った。</p><p>【方法】はじめにスポンジケーキの好みに関するアンケートを行い,やわらかい生地,食感の軽い生地,しっとり感の強い生地が好まれることが分かった。この結果を元にやわらかい生地 (A),食感の軽い生地(B),しっとり感の強い生地(C)の配合の検討を行った。基本配合を卵120 g,グラニュー糖90 g,薄力粉90 g,バター24 gとして,Aは基本配合からグラニュー糖と薄力粉を減らし,BはAからさらに薄力粉を減らした。Cは薄力粉を減らしバターを増やした配合で調製した。A,B,Cの断面や膨らみについて基本配合との比較を行った。またそれぞれのスポンジケーキを1 cmの厚さで2枚にカットし,間と周りに生クリームを塗ったもので官能評価を行った。官能評価は2点比較法で行い,評価項目は硬さ,食感の軽さ,しっとり感の強さの3項目とした。</p><p>【結果・考察】AとBは,基本配合の生地よりきめが粗く,大きな気泡がみられ,官能評価ではAは基本配合より有意にやわらかく,Bは有意に食感が軽いと評価された。これはグラニュー糖を減らしたことで卵が軽い泡立ちとなったことや,薄力粉を減らしたことでスポンジケーキの弾力が抑えられふんわりと仕上がったことが影響したものと考えられる。Cのしっとり感の強さについては基本配合との有意差は出なかった。最も好まれたのはBのスポンジケーキであり,口どけが良く甘さが控えめでフワフワしていたからなどの理由があった。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 34 (0), 125-, 2023
日本調理科学会