東北・北海道支部の多様な調理法と家庭料理の伝承調査

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書誌事項

タイトル別名
  • Survey on various cooking methods and traditions of home cooking in the JSCS Tohoku-Hokkaido Branch
  • Relationship between culinary arts training and actual cooking conditions and dietary consciousness
  • —調理学実習の履修と調理実態・食意識の関係—

抄録

<p>【目的】日本調理科学会では,家庭料理の継承とこれからの調理科学のあり方を考察することを目的に特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」を進めている。調理学実習は家庭で扱わない調理法や調理器具に触れる機会でもあり,履修した学生の日常の調理等にも影響を与えていると推察される。本報告では,学生の調理実態と食意識について,調理学実習の履修の有無による差異を示した。 </p><p>【方法】令和4年度に日本調理科学会の特別研究として全国の学生を対象にWeb調査を実施した。東北・北海道で得られたデータ(n=979)を2群に分け,調理学実習を1期以上受講した・受講中という回答を履修あり(n=926),受講していない・これから受講するという回答を履修なし(n=53)とした。調理器具の使用経験や家庭料理の調理喫食状況などについて,クロス集計により群間の差を分析した。 </p><p>【結果】中華鍋,蒸し鍋,蒸籠等の使用経験がある割合は履修ありで有意に高く,履修なしでは半数未満だった。汎用の調理器具により代替可能で収納場所を要する調理器具は家庭での所有や使用が少ないと推察された。青菜のごま和えなどいくつかの料理について,家で調理することが多いと回答した割合は履修ありの方が有意に高かった。調理の参考にするものは,両群ともレシピサイトや調理動画の選択割合が最も高いが,履修ありでは調理学実習や自分の調理経験の選択割合が有意に高く,日常の調理に調理学実習の影響があることが確認された。一方,履修ありは栄養学等を専攻する者が多いことや「小さいころ,家族と調理することがよくあった」という回答が多く,調理学実習だけでなく,入学以前の調理経験や食意識の違いによる影響もあることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578902349140096
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_162
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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