テクスチャ―・味・香りの相互作用が嗜好性の文化的・生理的・心理的要因に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of the interaction among texture, taste, and odor on cultural, physiological, and psychological factors of palatability

抄録

<p>【目的】肥満と痩せ,過食と拒食は健康障害を引き起こす重要な問題であり,食欲の調節に関する研究が進展している。咀嚼嚥下能力が低下した場合にも,おいしい食事はQOLの維持向上に不可欠である。この問題は総合的な観点から取り組むことが必要と考えられる。 </p><p>【方法】 低脂肪食・減塩食と関連して「おいしいものは健康に悪い」という思い込みに関する調査,鼻先香と口中香,気導音と骨導音,fMRIなどの研究成果と,テクスチャ―・味・香りの相互作用に関する研究成果の総合的な理解をめざす。 </p><p>【結果・考察】国の境界を越えた移動が盛んになっても歴史的に認められた国民的・地域的特徴はある程度維持されている。嗜好性は主観的なもので個人により異なるために科学的な解明のメスを入れることは不可能であるという考えも強いが,脳科学の非侵襲的実験の成果が積み重ねられ,部分的ではあるが,理解が進んでいる。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の異なる感覚の間の相互作用に関する研究も進展しているが,一部のモデル実験的な場合についての結果しか得られていない場合が多く,実際の多様な食品についての系統的な理解には達していない。官能評価における口腔内の初期化の方法についても,確立した方法が認められていない。生理学・心理学実験ではモデル食品の特性評価がおろそかである場合が多く,物理・化学測定を主とする場合はモデル食品が実際の食品とは異なる場合が多い。このギャップを埋める必要があるが,境界を超えることを恐れない共同研究が必要である(スコットブレア)。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578902349175808
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_57
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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