『元就公山口御下向之節饗応次第』および『身自鏡』からみる戦国期毛利氏の饗応献立の料理構成

書誌事項

タイトル別名
  • The Composition of Food Served at Banquets for Mōri Motonari during the Warring States Period, as Shown by the <i>Mōri Motonari-kō Yamaguchi go-Gekō no Setsu Kyōō Shidai</i> and <i>Mino Kagami</i>
  • 『 モトナリコウ ヤマグチ ゴ ゲコウユキセツ キョウオウ シダイ 』 オヨビ 『 シンジキョウ 』 カラ ミル センゴクキ モウリ シ ノ キョウオウ コンダテ ノ リョウリ コウセイ

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抄録

<p> 戦国期毛利氏の饗応献立について, 『元就公山口御下向之節饗応次第』に記された6回の饗応献立記録と, 『身自鏡』に記された季節の食材や調理法から, 饗応献立の料理構成を検討した.</p><p> 膳部の本膳, 二の膳, 三の膳の料理の数は, それぞれ7, 5, 3であり, 異なる15の料理が供されていた. また, 1回の饗応で料理の重複は認められなかった.</p><p> 一方, “かうの物” “かまぼこ” “あわび”等は, 6回の饗応すべてで供されていた. 御汁は, 二の膳, 三の膳で2つずつ供され, 二の膳では, 魚 (鯉, 鯛, 鮒) の汁と, 山菜または海藻の汁, 三の膳では鳥 (白鳥, 靏, 鴈) の汁と, 獺またはあわびの汁であった. 『身自鏡』には, 塩による保存の有無で魚, 鳥, 獺の汁の調理方法が異なることが記されていた.</p><p> 献部では, 初献で“雑煮”, 二献で“さしみ”“鳥”“栄螺”が供されていた. 点心の献には, 上位の食材とされる鯉, 白鳥, 鶴や, 季節の情景を表した料理が, “御副物”として組み合わされていた.</p>

収録刊行物

  • 日本家政学会誌

    日本家政学会誌 74 (11), 648-659, 2023

    一般社団法人 日本家政学会

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