高齢進行期パーキンソン病患者におけるサフィナミドのモーニングオフ改善効果

  • 瀧澤 俊也
    東海大学名誉教授 神奈川リハビリテーション病院脳神経センター長
  • 小原 さおり
    東海大学医学部付属病院診療技術部診療技術科
  • 佐藤 史朋
    医療法人社団藤和会厚木佐藤病院病院長
  • 高橋 若生
    東海大学医学部付属大磯病院脳神経内科教授

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of safinamide on morning-off phenomenon in elderly patients with Parkinson's disease

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抄録

<p>目的:高齢進行期パーキンソン患者においてウェアリングオフは解決すべき課題であり,特に朝に見られるモーニングオフは患者が一日の生活を開始する上で大きな支障となる.我々は夕食後投与によるサフィナミド50 mg及び100 mgのモーニングオフの改善効果,UPDRS Part IIIの改善効果について検討した.方法:本研究は2020年4月1日から2021年7月31日の期間に,ウェアリングオフ現象を有しサフィナミド50 mgないし100 mgを夕食後に投与したPD患者30例を対象とした.診療録における診察所見,症状日誌の情報に基づき,モーニングオフの改善効果の有無を後方視的に解析した.結果:本研究は,75.8±7.5歳と高齢のパーキンソン患者30例を対象とした点が従来の報告と異なる.夕方のサフィナミド投与で,終日では投与開始8週から,午前では4週(100 mg)からオン時間の有意な延長を認めた(12週以降で30分延長).オフ時間は,終日・午前(すなわち,モーニングオフ)において4週から有意な短縮を認めた(12週以降で1時間の短縮).UPDRS Part IIIの合計スコアは,12週から1ポイントの有意な改善を認めた.いずれの指標でも,サフィナミド50 mgと100 mgの2群間では有意差を認めなかった.ジスキネジアを含めた副作用は認めなかった.非運動症状では,不安感・疼痛・気分の落ち込みの改善傾向を認めた.結論:今回サフィナミド50 mg・100 mgの夕方投与がモーニングオフの改善効果を示したことは,高齢進行期パーキンソン患者の新たな治療戦略になり得ると考えた.</p>

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参考文献 (19)*注記

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