中学1年生の道徳教科書に見る統合的葛藤解決を学習する機会の欠如 : ヒドゥン・カリキュラムの観点から

書誌事項

タイトル別名
  • The Absence of Opportunities to Learn Integrating Conflict Resolution in First Grade Moral Textbooks : From a Hidden Curriculum Perspective
  • チュウガク 1ネンセイ ノ ドウトク キョウカショ ニ ミル トウゴウテキ カットウ カイケツ オ ガクシュウ スル キカイ ノ ケツジョ : ヒドゥン ・ カリキュラム ノ カンテン カラ

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抄録

本研究の目的は,中学1年生の道徳の教科書に取り上げられている対人葛藤の描かれ方を題材とし,ヒドゥン・カリキュラムの観点から,統合的葛藤解決の学習に影響を与える学校生活下の要因を可視化することだった。52の教材を,4つの焦点から評価した。その結果,①登場人物のいずれかが意見や価値観の不一致を経験している教材が36/52教材(69.23%),②当該人物が相手の内面を想像しようとしている教材が17/52教材(32.69%),③想像した相手の内面を直接相手に確認している教材が2/52教材(3.85%),④対話を通してお互いに納得できる解決策を考案している教材が0/52教材(0.00%)であった。中学1年生の道徳の教科書は,生徒に対人葛藤の対処方法を考えさせることを一定程度は重視しているものの,統合的葛藤解決スキルを学習する機会は乏しいことが示唆された。学校生活下で統合的葛藤解決スキルを育むための提言を行った。

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