染色体工学技術

DOI
  • 山﨑 匡太郎
    自然科学研究機構 生命創成探究センター 染色体工学研究グループ
  • 大関 淳一郎
    自然科学研究機構 生命創成探究センター 染色体工学研究グループ
  • 香月 康宏
    自然科学研究機構 生命創成探究センター 染色体工学研究グループ 鳥取大学医学部生命科学科染色体医工学講座 鳥取大学染色体工学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Chromosome engineering technology
  • Chromosomal scale genome manipulation for basic and drug discovery research
  • 基礎研究・創薬研究のための超長鎖遺伝子操作技術

抄録

生命の設計図であるゲノムは,染色体単位で複製し,分配・維持される.この染色体を維持する機構は,少なくとも脊椎動物細胞間で互換性があり,個々の染色体を微小核細胞融合法と呼ばれる精製・導入技術を用いて別種の細胞に付与できる.また,染色体維持に関わるテロメア・セントロメアの配列と,メガベーススケールの超長鎖ゲノム配列を,「移す・切る・つなぐ」染色体工学技術とを組み合わせることで,ヒトやマウス由来の人工染色体も作製できるようになった.そして,これらの人工染色体と染色体工学技術を駆使し,筋萎縮性側索硬化症や筋ジストロフィーに対する遺伝子治療法の開発や,ダウン症モデル動物,完全ヒト型抗体産生マウス等の作製にも成功している.本稿では,これらの基盤となった染色体工学技術と,基礎研究・創薬研究への応用について紹介する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 96 (1), 45-59, 2024-02-25

    公益社団法人日本生化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580793826344320
  • DOI
    10.14952/seikagaku.2024.960045
  • ISSN
    00371017
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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