巨大脱分化型脂肪肉腫の拡大浸潤によって蜂窩織炎を来した1例

  • 庄司 真美
    日本医科大学武蔵小杉病院形成外科 日本医科大学形成外科学教室
  • 赤石 諭史
    日本医科大学武蔵小杉病院形成外科 日本医科大学形成外科学教室
  • 小川 令
    日本医科大学形成外科学教室
  • 桑原 大彰
    日本医科大学武蔵小杉病院形成外科 日本医科大学形成外科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cellulitis due to extensive invasion of a huge dedifferentiated liposarcoma

抄録

<p>患者は左大腿の腫瘤を自覚していたが,20年以上未治療であった。食欲不振を主訴に受診した際,巨大腫瘤と左下肢全体の発赤,腫脹,熱感を指摘された。CTで大腿伸筋群内に腫瘍と皮下脂肪織の混濁を認め,腫瘍の圧迫によるコンパートメント症候群,腫瘤の感染あるいは出血の可能性を考え同日試験切開を行った。皮膚直下に淡黄色の腫瘍が確認されたが,膿瘍や出血は認めなかった。その後の造影MRIで筋層内の病変は肉腫化が疑われ,針生検を施行したところ,脱分化型脂肪肉腫の診断であった。下肢の感染兆候は抗菌薬投与と安静により速やかに軽快した。腫瘤は巨大であっても日常生活に支障が生じるまで放置されることがあるが,渉猟し得た限り蜂窩織炎が脂肪肉腫の受診契機になった報告はなく,発症機序を考察するとともに報告する。</p>

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