<研究論文>一性と複製性:『ミュウツーの逆襲』(1998年)ならびに関連作品群における動物の形象としてのポケモン

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タイトル別名
  • <Research Articles>Oneness and Reproducibility: Pokémon as Animal Figures in Mewtwo Strikes Back! (1998) and Related Works

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抄録

本稿は『劇場版ポケットモンスターミュウツーの逆襲』(湯山邦彦監督、1998年)をアニマル・スタディーズならびにキャラクター論の二つの観点から検討する。『ミュウツーの逆襲』はアニマル・スタディーズにおける問題意識や論点と呼応するテクストであり、他者としてのポケモンは人間と自然との媒介として機能し自発的に人間に服従することで人間の自然の利用を正当化する動物の形象として機能している。さらにアニメ・マンガ研究におけるキャラクター論から考えると、同作におけるアニマル・スタディーズ的問題系が、図像的キャラの複製性という前提のもとで「主権者」としての単一性を上演しようとするものだと解釈できる。人間かポケモンかを問わず図像的キャラがメディア・フランチャイズの中に拡散することで、作品の主題として提起されるポケモンと人間の対等な関係の可能性についての問いが、単にギミックとして使われていることが明らかになる。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 16 1-26, 2024-03-15

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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