アーティスト・ブックにおけるタイポグラフィック表現

DOI
  • 長島 聡子
    長岡造形大学大学院 大邱大学校造形藝術大学

書誌事項

タイトル別名
  • Typographic Expressions in Artists’ Books
  • —An Approach to the Usage of Linguistic Symbols in Conceptual Art from the 1960s to the 1980s.
  • ―1960年代から80年代の言語記号によるコンセプチュアル・アートに着目して

抄録

<p> コンセプチュアル・アートの動向が急速に展開した時期である1960 年代,欧米や東アジア諸国において,言語記号に依拠した芸術作品が数多く発表された。作品要素としての「言語」を積極的に用いた芸術家らの一部は,アーティスト・ブックと呼ばれる本形態の芸術作品へと表現を展開した。しかし活版印刷や平版印刷の技術から発展したタイポグラフィ史において,コンセプチュアル・アーティストの仕事は特に注目されてこなかった。「複製技術」による表現では,芸術作品における唯一無二の存在意義が失われるという傾向が,コンセプチュアル・アートとタイポグラフィとの乖離に影響したと考えられる。アーティスト・ブックの源流には,印刷術においてかつて分業されていた製本業,つまりブックデザインの領域までを担うタイポグラファの登場がある。本論説では,まずコンセプチュアル・アートとタイポグラフィという語の定義について整理した上で,60 年代から80 年代に制作されたアーティスト・ブックにおける活字や印字を用いた表現を,タイポグラフィの文脈から考察した。</p>

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 70 (4), 4_29-4_34, 2024-03-31

    一般社団法人 日本デザイン学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580992759629056
  • DOI
    10.11247/jssdj.70.4_29
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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