腸間膜デスモイド型線維腫症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Mesenteric Desmoid-type Fibromatosis

抄録

<p>腸間膜デスモイド型線維腫症は,緩徐に成長するまれな線維腫症の一種である.腸間膜腫瘍は,特徴的な画像所見がないことから術前診断は困難なことが多い.今回我々は,まれな疾患である腸間膜デスモイド型線維腫症の1例を経験したので報告する.症例は60代,男性.他院の人間ドックで腹腔内腫瘍を指摘され,当院消化器内科紹介受診.腹部超音波検査で右腹部に59×50 mmの類球形低エコー腫瘤像を認めた.輪郭整,内部不均一で一部に血流シグナルを認めた.体位変換で可動性を認め,小腸もしくは腸間膜由来と考えた.腫瘤は小腸筋層と連続している印象があり,小腸由来の消化管間質腫瘍を第一に考え,鑑別に線維腫,線維肉腫など腸間膜由来の腫瘍を考えた.精査の結果,小腸由来の消化管間質腫瘍疑いで手術となった.病理組織検査では核分裂像を認めない線維芽細胞と膠原線維の増殖像を認め,腫瘍は小腸筋層に浸潤していた.免疫染色ではCD34, c-kit, S100, SMAがいずれも陰性,β-catenin陽性で,デスモイド型線維腫症と診断された.</p>

収録刊行物

  • 超音波検査技術

    超音波検査技術 49 (2), 138-144, 2024-04-01

    一般社団法人 日本超音波検査学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581157740354560
  • DOI
    10.11272/jss.410
  • ISSN
    18814514
    18814506
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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