腹腔鏡下胆囊摘出術時の胆道造影により急性膵炎を発症した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acute Pancreatitis Due to Intraoperative Cholangiography in Laparoscopic Cholecystectomy

抄録

<p>症例は60歳の男性で,健康診断で胆囊内隆起性病変を指摘された.超音波内視鏡検査では胆囊内面に瀰漫性に広がる小隆起を認めた.MRCPでは胆囊管と後区域枝が共通幹を形成する解剖学的破格を認めたが,膵・胆管合流異常を疑う所見はなかった.悪性腫瘍が潜在している可能性が否定できず,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.胆囊管の誤認を早期に発見するため術中胆道造影を施行したところ,胆囊管と後区域枝に加え,膵管が描出された.摘出胆囊内胆汁のアミラーゼは43,875 U/l,リパーゼは12,450 U/lであった.術後背部痛が出現し,血清アミラーゼと炎症反応の上昇,CTで膵周囲脂肪組織の濃度上昇を認め,急性膵炎と診断した.病理組織診断では胆囊粘膜面に過形成変化を認めた.術中胆道造影で膵管が描出された場合は膵炎を発症する可能性がある.</p>

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参考文献 (15)*注記

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