中足骨骨折に対するシーネ固定後に下肢静脈塞栓症を来した症例

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抄録

<p>下肢深部静脈血栓症(DVT)は致死性の肺塞栓を起こすため予防が大変重要となる.下肢ギプス固定はDVT発症の高い危険因子であり5),今回中足骨骨折に対するシーネ固定後3週間で巨大なDVTを生じた症例を経験した.症例は47歳女性,職業は看護師,階段で転倒後に当科受診し,左第5中足骨基部骨折を認めた.転位が小さくL字シーネ固定を行い,受傷後11日目より免荷で勤務を再開した.勤務開始後1週間で下肢の腫脹が増悪し,当科再診した.左下腿の熱感や発赤はなく,下腿から大腿部まで腫脹を認めた.血液検査で白血球10370/μl,D-dimer 5.4μg/ml,CRP 0.45 mg/dlと,軽度の炎症を認めDVTを疑い下肢静脈超音波検査を行った.外内腸骨静脈分岐部から膝窩部にかけて充満性血栓を認め,造影CT検査では左下腿から総腸骨静脈にかけて巨大な血栓を認めた.抗凝固療法を開始し,血栓は徐々に縮小している.下肢固定を行う際はDVT発生を念頭に置く必要がある.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581622426382336
  • DOI
    10.5035/nishiseisai.73.274
  • ISSN
    13494333
    00371033
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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