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- 小谷 鷹哉
- 東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系
書誌事項
- タイトル別名
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- The effect of hot-water immersion on skeletal muscle ribosome biogenesis
- ニュウヨク ガ キンリョク トレーニング ニ ヨル リボソームリョウ ノ ゾウカ オ ソクシン スル カノウセイ
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説明
<p>背景・目的 骨格筋リボソーム量の増加は、筋力トレーニングによる筋肥大に重要であることが近年明らかになってきた。運動後の回復戦略として広く用いられている温水への入浴は、リボソーム合成の重要な制御因子であるmTORシグナル伝達を活性化する。しかし、入浴が骨格筋のリボソーム量におよぼす影響については、現在のところ不明である。本研究では、入浴および筋力トレーニング後の入浴がリボソーム量におよぼす影響を明らかにすることを目的とした。</p><p>方法 雄性のSprague-Dawleyラットを入浴群と入浴なし群に分類した。両群とも、右脚を経皮的電気刺激で筋力トレーニングさせ、左脚は対照脚とした。入浴群はイソフルラン麻酔下で両脚を温水(41.2±0.03℃)に20分間浸した。運動から24時間に腓腹筋を採取した。</p><p>結果 入浴はrpS6のリン酸化とc-myc mRNA発現を増加させ、筋力トレーニング後の入浴はTIF-IA mRNA発現を増加させた。しかし、入浴および筋力トレーニング+入浴は45S pre-rRNA発現量およびリボソーム量の指標である28S rRNAと18S rRNAを増加させなかった。さらに、入浴は28S rRNAと18S rRNA量を減少させる傾向が見られた。</p><p>考察 筋力トレーニング後の入浴は、筋肥大を促進するとされているが、骨格筋リボソーム量を減少させる可能性が新たに明らかとなった。</p>
収録刊行物
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- 日本健康開発雑誌
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日本健康開発雑誌 45 (0), 87-92, 2024-06-12
一般財団法人 日本健康開発財団