熱傷創に対する新しい壊死組織除去剤ネキソブリッド<sup>®</sup>使用後の熱傷創面の変化とその評価

  • 森田 尚樹
    地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院形成外科
  • 濱田 尚一郎
    地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院救命救急センター
  • 中野 友継
    地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院救命救急センター
  • 大田原 正幸
    地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in Burn Wound Surface and its Evaluation After Treatment with Nexobrid, a Necrotic Tissue Removal Agent for Burn Wounds

説明

<p> 【目的】ネキソブリッド®は熱傷創面に対する化学的デブリードマン製剤として本邦では2023年8月1日に発売された. われわれは当院でネキソブリッド®を使用した症例の熱傷創面の変化からその後の治療経過を検討した.<br>  【方法】当院を2023年8月1日より2024年1月31日までの6ヵ月間に受診しdeep dermal burn (以下DDB) ~ deep burn (以下DB) と診断されネキソブリッド®を使用した症例の画像記録と治療経過をretrospectiveに検討した.<br> 【結果】計14症例のDDB~DB 計23部位が対象であった. 14部位は保存的に創閉鎖を認め, 9部位は外科的処置を要した. 画像記録より創面の色調を検討し, その変化から1. 赤色 (ピンク色) , 2. 白色,3. 暗赤色, 4. 脂肪露出の4つの大分類と, 3. 暗赤色はその後の変化で3つに小分類することでその後の治療経過をある程度予想できることが分かった. 具体的には, 1. 赤色症例は保存的治療により比較的早期の上皮化が期待できる. 2. 白色症例は時間を要するが, 保存的治療にて上皮化が期待できる. 3. 暗赤色症例はさらに①白色に変化, ②網目様の白色創面に毛穴様の赤色点を形成, ③壊死を認める症例に分かれ, 外科的治療の検討も必要であり, 4. 脂肪露出症例は植皮術を前提とする必要があった.<br> 【考察】本邦より先に発売された欧州ではEuropean consensus Guidelines (2017, 2020) (以下Guidelines) が発表され, 使用方法, 適応, 使用時の鎮静方法等が記載されておりネキソブリッド®施行後の創面の変化も大きく4つに分類され, その後の経過も示されている1, 2). 本報告ではGuidelinesと比較し大きく4つに分類される点と, 1. 赤色, 2. 白色, 4. 脂肪露出はGuidelinesと類似するが, 3. 暗赤色症例に該当すると思われる3. Large diameter red circle or oval patternsは明らかに異なった変化を示している. 本報告では3. 暗赤色症例の変化をさらに3つに小分類することで, より繊細な治療方針の策定が行えると考えている. しかし症例数が少なく, 今後複数施設でさらに症例数を重ね, 検証する必要があると考える. </p>

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 50 (3), 96-108, 2024-09-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390583004894911744
  • DOI
    10.34366/jburn.50.3_96
  • ISSN
    24351571
    0285113X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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