含鉛および無鉛素材の放射線防護衣における透過X線スペクトルや鉛当量,均一度の評価

  • 矢野 祐二
    九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
  • 藤淵 俊王
    九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
  • 荒川 弘之
    九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Transmitted X-ray Spectrum, Lead Equivalent, and Uniformity of Radiation Protective Clothing Made of Lead-containing and Lead-free Materials

説明

<p>【目的】本研究では複数の新しい放射線防護衣の防護性能を評価し,品質管理の課題を明らかにすることを目的とした.【方法】蛍光X線分析により遮蔽元素の組成分析をし,透過X線のエネルギースペクトルを測定し評価した.更に,日本産業規格(Japanese industrial standards: JIS)に従い防護衣を透過した線量から鉛当量,均一度を評価した.均一度について従来の手法に加え透過X線画像からも評価した.【結果】エネルギースペクトルでは組成分析で検出された鉛やビスマス,錫等のK吸収端がみられた.多層構造の防護素材のほうが高管電圧でも高い遮蔽能力を維持した.また,防護衣のX線画像から濃度のムラや点状斑がみられ,均一度の測定法による差異や必要遮蔽能力に満たない点が認められた.【結語】現状のJIS規格では防護衣の鉛当量や不均一性を正確に評価できないという問題があるため,X線画像上での視覚評価が重要となる.各施設が行う品質管理にて,標準化された基準が必要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ