説明
本研究は「日本語教育の参照枠」の「読むこと」に関連するCan doに基づいて選定されたモデル例文を対象とし、2つの分析手法を用いて検討を行った。第1の分析手法では、「日本語文章難易度判別システム」を用いてモデル例文をリーダビリティ値や総文字数などから数値的に分析した。第2の分析手法では、日本語教師3名による主観的判定を通じて、Can doとモデル例文の適合度を評価した。 結果として、第1の分析手法では、同一レベル内のモデル例文でもリーダビリティ値や総文字数にばらつきがあったが、レベルごとのモデル例文の中央値を基準にすると、モデル例文のリーダビリティ値や総文字数がレベルに応じて変化することが確認された。第2の分析方法では、同一レベル内のモデル例文でも判定にばらつきが見られたが、判定者のコメントからレベルごとのモデル例文の特徴が明らかになった。例えば、各レベルに合った語彙や表現が求められること、A2.2以下のレベルでは視覚情報が必要なことなどである。両手法の結果を統合することで、各レベルに適したモデル例文の特徴を明らかにしたが、モデル例文の多くが500字以下であったこともあり、リーダビリティ値とモデル例文のレベルとの間に連関関係は見出すことはできなかった。
収録刊行物
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- 常葉大学大学院国際言語文化研究科研究紀要
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常葉大学大学院国際言語文化研究科研究紀要 (6), 1-20, 2025-03-25
常葉大学大学院国際言語文化研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390585172429247488
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- ISSN
- 24355046
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可