胸水細胞診標本で好酸性細胞質封入体 (eosinophilic cytoplasmic inclusions) を認めた右尿管原発尿路上皮癌の 1 例

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タイトル別名
  • A case of thoracic metastasis from urothelial carcinoma of the right ureter with eosinophilic cytoplasmic inclusions in pleural effusion

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説明

<p>背景 : 胸水細胞診標本で好酸性細胞質封入体を認めた尿路上皮癌の 1 例を経験したので報告する. </p><p>症例 : 60 歳代, 男性. 脳梗塞で経過観察中, 尿潜血が持続していた. 腹部 CT 検査で, 右腎盂尿管移行部から上部尿管に造影効果を示す壁肥厚を認めた. 尿細胞診で尿路上皮癌と診断, 右腎尿管全摘術が施行され, 浸潤性尿路上皮癌と診断した. 1 年 3 ヵ月後, 右胸水貯留し細胞診を行った. 右胸水 LBC 標本では, 異型細胞が散在性あるいは集合性に多数出現していた. 異型細胞の細胞質は淡明, 核は類円〜楕円形, 核小体は明瞭であった. 異型細胞の 28%で, 細胞質内にライトグリーン濃染性の好酸性細胞質封入体を認めた. また, 同様の物質が細胞外にもみられた. 好酸性細胞質封入体は Giemsa 染色で異染性, アルシアンブルー染色および PAS 反応で陽性を示し, 胸水セルブロック標本の免疫組織化学で CK7, CD10, CD138, MUC1, E-cadhelin, laminin に陽性であった. </p><p>結論 : まれな尿路上皮癌の胸腔播種例で, 細胞質および細胞外に好酸性細胞質封入体がみられた. 今後, 症例を増やし, 好酸性細胞質封入体の有用性について検討する必要がある. </p>

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