明治・大正期の沖縄における窮民救助に関する考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Poor Relief System in Okinawa, 1879-1925
  • メイジ タイショウキ ノ オキナワ ニ オケル キュウミン キュウジョ ニ カンスル コウサツ

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説明

戦前の沖縄県では,備荒儲蓄法の代替施策として窮民一時救助が実施されていた.ただし実際には,それに先んじて,救助米と特別共同貯蓄による救助がなされていた.このうち救助米は,毎年交付される救助費から積み立てられ,特別共同貯蓄は県独自の徴収により積み立てられた.救助米と特別共同貯蓄は,名目上は間切財産とされたが,実質的な出納は県が管理していた.そして,これらとは別に間切ごとに共有金穀があり,そのうちとくに預貯金として保有されていたものは,間切共同貯蓄とよばれていた.このようにして,救助費により罹災救助を行いながら,県と間切でそれぞれに備荒貯蓄の仕組みをつくり,県と間切の貯蓄から多額の支出があった場合に,窮民一時救助として国庫支出を求める,というのが罹災救助の実態であった.一般窮民救助については,国費救助・公費救助に代わって,模合とよばれる親族・隣保による相互扶助慣行が普及していた.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 45 (2), 3-13, 2004-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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