マウスの日周活動リズム~活動開始・終了位相を制御する概日振動体の局在

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タイトル別名
  • Localization of circadian oscillators that control activity onset and offset of mouse behavioral rhythm.
  • マウス ノ ニッシュウ カツドウ リズム : カツドウ カイシ ・ シュウリョウ イソウ オ セイギョ スル ガイジツ シンドウタイ ノ キョクザイ

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抄録

夜行性げっ歯類の活動リズムにおける二振動体モデルは,活動開始をEvening(E)振動体,活動終了をMorning(M)振動体が制御するという仮説である。これら2つの概日振動体は,相互にカップルするが,それぞれ独立に振動する。 哺乳類の活動リズムは,視交叉上核(SCN)の概日時計によって制御されることから,EおよびM 振動体は,いずれもSCN 内に存在すると考えられる。しかし,そのSCN 内での局在は明らかではなかった。我々は,Period1- luciferase マウスを用いたSCNの発光イメージングにより,SCN内での振動体の局在を検討した。その結果,SCN 水平断において,4つの振動体領域を同定した。このうち,SCNの中心部分を取り囲むように存在する領域がE 振動体,尾側端がM 振動体に相当すると考えられた。SCN 中心部には,光反応性の振動体が存在することも確認された。残る1つは,網膜からの神経投射部位である。これまで,SCNは,前額断におけるコアとシェルのように,2領域に分けて考えられることが多かった。筆者らの水平断による研究は,振動体機能という観点からSCNを4領域に分けることに成功した。この成果は,SCNの機能について,さらに理解を深める基礎になると期待できる。

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