ビスグリセリルアスコルビン酸のコーニファイドセルエンベロープ形成促進を介した皮膚保湿作用

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タイトル別名
  • Skin Moisturizing Effect through the Stimulation of the Cornified Cell Envelope Formation by Bis-Glyceryl Ascorbate
  • ビスグリセリルアスコルビンサン ノ コーニファイドセルエンベロープ ケイセイ ソクシン オ カイシタ ヒフホシツサヨウ

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抄録

<p>アスコルビン酸(AsA)は,メラニン産生抑制,コラーゲン産生促進など多様な生理活性作用を有する一方で,経時劣化による着色・着臭など安定性に問題を抱えている。この問題を解決するため,われわれはこれまでに化粧品における汎用的な保湿成分であるグリセリンをAsAに結合させたノニオン性AsA誘導体であるビスグリセリルアスコルビン酸(VC-DG)を開発し,VC-DGがAsAと比較して高い原体安定性と製剤安定性を有するとともに,AsAと同様の生理活性を有することを明らかにしている。本研究では,VC-DGのさらなる皮膚生理活性の探索を目的に,皮膚バリア機能ならびに保湿機能に寄与すると考えられるコーニファイドセルエンベロープ(CE)に着目した。その結果,VC-DGは正常ヒト表皮ケラチノサイトにおいてCE関連因子のmRNAおよびタンパク質発現亢進に伴い,CEの形成を促進することが明らかとなった。また,3次元培養表皮モデルにおいても同様に,CE関連因子のタンパク質発現亢進作用を示した。さらに,ヒト皮膚連用試験において,VC-DGの連用により角層水分量の有意な増加が確認された。以上から,VC-DGがCEの形成を促進することで,皮膚の保湿機能を向上させる可能性が示唆された。</p>

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