特発性食道破裂に対し腹腔鏡下手術を施行した1例

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  • A Spontaneous Rupture of the Esophagus Treated with Laparoscopic Surgery

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抄録

<p>特発性食道破裂は食道内圧の急激な上昇により食道壁全層が穿孔する疾患で,治療開始が遅れると致命的となる.今回本症に対し,腹腔鏡下で穿孔部閉鎖を行い経過良好であった1例を経験したので報告する.症例は52歳の男性で,飲食後の嘔吐と背部痛,心窩部痛を主訴に当院へ救急搬送された.CTで下縦隔左側から気管分岐部まで広がるairを伴う食残様の溜まりを認め,特発性食道破裂が疑われた.ドレナージが必要と判断し,発症から12時間後に腹腔鏡下食道縫合術,大網被覆,縦隔ドレナージを行った.左胸腔内にドレーンを挿入し胸水に混濁がないことを確認後,経腹的にアプローチし,食道背側から左側で食残が主体の膿瘍腔が開放された.食道左壁に縦走裂創を認めたため粘膜層を結節縫合,筋層は連続縫合閉鎖し大網で被覆した.術後8日目に食事を開始し12日目に軽快退院となった.特発性食道破裂に対する腹腔鏡下手術は緊急手術においても選択肢の一つとして有効であると考えられた.</p>

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