岩手県の家庭料理 主菜の特徴

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書誌事項

タイトル別名
  • Iwate prefecture home cooking: main dishes
  • 魚料理
  • Fish dishes

抄録

【目的】 岩手県の三陸沿岸には漁港が多い。特にリアス式海岸には良港が多く豊富な魚介類が獲れ,それらを用いた独特な魚料理が作り続けられている。また,岩手県の西和賀町は,秋田県に接しその食文化の影響を受けた独特の魚料理がある。このように岩手県で伝統的に作られている魚料理について,報告する。<br>【方法】 岩手県内において,平成24~26年に,家庭料理の聞き取り調査を実施した。調査は,対象者を地域に56~93年間居住している61~96歳の女性18人とし,昭和30~40年代の家庭料理について聞き取りをした。その調査結果から魚料理の特徴を比較検討した。<br>【結果】 沿岸部で食べられていた魚類は,いわし,鯖,いか,たこ,さんま,どんこ,鮭,たなご,かれい,めろうど,あわびととしる,でんでん(えい),ねいよ,鱒,鱈,ほや,牡蠣などであった。それらは,塩焼き,煮魚,つみれなどにしていた。いわし,鯖,いかは大量の塩で漬けて,長期間保存し食べていた。また,いわしやさんまは開いて,米糠と塩で漬けて保存され,焼いて食べた。県央から南部にかけて,鯖節,身欠きにしん,塩引きなどの加工品の利用があった。奥羽山系西和賀では,干物のかすべの利用,にしんの加工があった。「荒巻鮭頭のあら汁」「荒巻鮭頭の粕汁」「たら菊の味噌汁」「たら菊の吸い物」「さんまのすり身汁」「どんこ汁」「あわびのと汁の煮付け」「鮭の紅葉漬け」「鮭の氷頭なます」「ぼや節胡瓜の酢の物」「どんこの逆さ焼(のぼり焼)」「どんこなます」「かれいの煮しめ」「するめの塩辛(切り込み)」「鯖節の煮付け」「かすべの煮付け」「かどのすし漬け」「かどのこぬか漬け」が料理として挙げられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713057698432
  • NII論文ID
    130007479265
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_208
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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