膵 clear cell variant of solid pseudopapillary neoplasm の 1 例

  • 永田 郁子
    広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理研究検査科
  • 髙田 愛
    広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理研究検査科
  • 岡本 淳子
    広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理研究検査科
  • 井町 海太
    広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理研究検査科
  • 䑓丸 裕
    広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理研究検査科 広島県厚生農業協同組合連合会広島総合病院病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • Cytologic features of a clear cell variant of a solid pseudopapillary neoplasm of the pancreas in an adult male patient
  • —A case report—

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説明

<p>背景 : solid pseudopapillary neoplasm (以下, SPN) には clear cell variant (以下, CCV-SPN) が存在するが, その細胞形態学的特徴を報告した論文は限られる. 今回われわれは, 同亜型の 1 例を経験したので, 細胞像および鑑別疾患についてまとめ, 若干の文献的考察を行った.</p><p>症例 : 患者は 38 歳, 男性. 膵頭体部に腫瘍を認め, 超音波内視鏡下穿刺吸引法 (以下, EUS-FNA) が施行された. 細胞診では, 細胞質の空胞化や核膜の不整, 微細顆粒状クロマチンを認める小型の腫瘍細胞が孤立散在性や小集団で多数認められた. 硝子様小球や偽乳頭状構造もみられ, SPN を疑った. 摘出標本の免疫染色で, 腫瘍細胞は β-catenin の核内集積を認め, CD10, vimentin が陽性, trypsin が陰性であり, CCV-SPN と診断された.</p><p>結論 : 通常型 SPN は女性例が約 9 割を占めるが, 報告されている CCV-SPN は男性例が約半数を占めていた. 淡明細胞主体の膵腫瘍では, 男性例でも SPN を鑑別の一つにあげ, 積極的に免疫染色を行って確定診断することが重要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

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