宮崎県の家庭料理 副菜の特徴
書誌事項
- タイトル別名
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- Miyazaki prefecture home cooking: side dishes
抄録
<p>【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」に基づき,宮崎県の家庭料理の副菜の特徴を明らかにすることである。</p><p>【方法】平成24〜26年,県内8地区11ヶ所に在住の女性35人(昭和2年〜昭和22年生)を対象に昭和40年頃の家庭料理についての聞き書き調査を行い,当時食されていた副菜の特徴について検討した。</p><p>【結果および考察】宮崎県は温暖な気候に恵まれ,どの家庭でも家の周りで多くの種類の野菜類(茄子,南瓜,玉葱,苦瓜等)や豆類(大豆,小豆等),芋類(唐芋,里芋)などが栽培され,日常の食事にはこれらを具とした味噌汁や煮物,漬物などが食されていた。味噌や豆腐,蒟蒻も手作りしていた。中部地区(国富町,宮崎市)は干し大根の生産が盛んで「いかんて・割干し・千切り」など種類も多く,漬物の他,煮つけやイワシを入れた湯なますなどに利用されていた。里芋の生産量も多く「ぬた和え」が食されていた。北諸県地区(都城市)では,細切りにした唐芋をかき揚げにした「がね(蟹の意)」が良く食された。よごし(白和え)は,年間を通して季節の野菜で作られた。また,筍は種類が多く,特に大名竹は美味で,みそ汁や煮物,天ぷらが好まれた。西臼杵地区や東臼杵地区南部の山間部では「干し筍」作りが盛んで,乾燥ぜんまい,乾燥椎茸,芋がらとともに,神楽や年越しなどハレの日の煮しめとして食されてきた。南那珂地区では「つわぶき」を食し,佃煮や生節との炒め物が見られた。児湯地区の中でも海岸沿いの川南町では,海藻「ケソ」や「がばのり」,「フカ」,「オバクジラ」など海の幸を利用したぬたや,「ハスガラなます」が食されていた。以上より,各地でひなたの海幸・山幸を活かした副菜がみられた。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 (0), 237-, 2019
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713087679744
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- NII論文ID
- 130007695792
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可