戸室火山の地質と戸室石

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タイトル別名
  • Geology of Tomuro Volcano and Tomuro-ishi

抄録

戸室火山は,金沢市東部の丘陵に位置し,山体の総体積が約0.5立方kmの小型の火山である。4つの溶岩ドームから成り,それらのうち戸室山とキゴ山の2つの溶岩ドームは,厚い溶岩流をそれぞれ伴う。戸室火山が噴火したのは約40万年前であり,数万年以内にすべての溶岩ドームが形成されたと推定される(酒寄ほか,2002)。また,約1万8千年前には,戸室山溶岩ドームで岩屑なだれが発生した(石渡ほか,2001)。戸室火山の岩石は,黒雲母-角閃石安山岩およびデイサイトであり,各溶岩ドーム間で岩石学的性質の差異は小さい。<br> 戸室火山の溶岩塊は戸室石と呼ばれ,金沢城の石垣建設や修理のために16世紀末から19世紀初頭にかけて採掘された。当時の採石跡は,確認されただけでも1300地点を超え,時代とともに採石域が変化したことも明らかになっている。それらの成果を地質図と対比すると,採石場が岩屑なだれ堆積物の分布域から火山体本体に移り,最終的には戸室山北部の溶岩流先端部に集約されていったことが読み取れる。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390846609793301888
  • NII論文ID
    130007785502
  • DOI
    10.14824/jakoka.2016.0_172
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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