凍結置換法と連続切片法による酵母のストラクトーム解析

  • 山口 正視
    千葉大学・真菌医学研究センター
  • 岡田 仁
    千葉大学・真菌医学研究センター 認定NPO法人 綜合画像研究支援
  • 並木 侑一
    千葉大学・真菌医学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Structome of Yeast Cells Determined by Freeze-Substitution and Serial Ultrathin Sectioning Electron Microscopy
  • トウケツ チカンホウ ト レンゾク セッペンホウ ニ ヨル コウボ ノ ストラクトーム カイセキ

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抄録

<p>細胞の微細形態は,電子顕微鏡観察をはじめとした,これまでの多くの研究によって明らかにされ,すべてが解明されているかのような印象がもたれている.しかし,細胞あたりのリボソームの数や,小胞体の数や細胞内分布など,細胞構造の定量的,三次元的解析はほとんどなされていなかった.われわれは,structureと-omeを組み合わせて,「ストラクトーム」という新語を造り,電子顕微鏡レベルにおける細胞の定量的,三次元的全構造情報を意味する新しい概念として提唱した.本稿では,酵母エキソフィアラ・デルマチチジスを材料として,凍結置換法と連続超薄切片法によりストラクトーム解析を行い,1個の細胞にリボソームは約20万個存在すること,ミトコンドリアは17~52個存在し,体積の10パーセントを占めること,小胞体は5~10個存在し,体積はわずか0.2パーセントを占めるにすぎないことなどを明らかにした.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 45 (4), 212-217, 2010-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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