国語科における「物語の創作」指導カリキュラムに関する試論

書誌事項

タイトル別名
  • A Discussion on the Instruction Curriculum of the “Narrative Creation” in the Japanese Language Arts Class
  • 国語科における「物語の創作」指導カリキュラムに関する試論 : 内田伸子の論を手がかりとして
  • コクゴカ ニ オケル 「 モノガタリ ノ ソウサク 」 シドウ カリキュラム ニ カンスル シロン : ウチダ ノブコ ノ ロン オ テガカリ ト シテ
  • : based on the articles of Nobuko Uchida
  • 内田伸子の論を手がかりとして

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抄録

「物語の創作」学習については,教育的な有用性に関する懐疑の声や指導原理,指導方法を問う声もある。これらの疑念や問いに答えることは,「物語の創作」学習の指導効果の向上にとって重要であろう。この問題を解決するため,本論考では内田伸子を手がかりとする。内田は「ことばの発達」や「お話づくり」のメカニズムについて考究を重ねてきたが,その知見を援用した「物語の創作」に関わる論考や著作は非常に少ない。本論考は,内田の考究を検討,考察することによって「物語の創作」学習の有用性を析出し,そこからカリキュラム化への重要な視点を得た。その内容は次の通りである。(1)「創作」の基盤を支える基礎的な「書くこと」の能力を重視すること。(2)「物語」の基本的な定義,構成要素を重視し,これらを活かした「創作方略」を獲得させること。(3)発見的,問題解決的な創作過程を重視すること。(4)書きながら自らの中に読み手を立ち上げ,自らの「書く」行為を自覚(モニタリング)させること。(5)物語を読むことと物語を書くことの関連的なカリキュラム構成を図ること。今回見えてきたこれらが「物語の創作」指導に対する疑念や問いのいくつかの答えとなり,「物語の創作」指導の改善に繋がることを期待する。

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