自己視線恐怖様の不安を訴えた思春期男子との面接
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- 高嶋 雄介
- 天理大学人間学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Psychotherapy with an Adolescent Boy Complaining of Fear of Self-Gaze: Through Examination of the Chimera Image That Appears in the Squiggle Technique
- スクイグルに表れたキメラ的イメージの検討を通して
説明
<p>自己視線恐怖様の不安を訴えた思春期男子の事例を検討した。クライエントの症状は,従来の自己視線恐怖とは異なっており,これまで興味や関心を持っていなかった他人や出来事が視界に入り,それらにどのように関わればよいかわからない不安の表れとして理解された。それは現代的な対人恐怖に見られる個人の不確かさと曖昧さを反映しているとも考えられた。これらの問題は,スクイグルにおいては,何を描くかが曖昧で,一つのイメージを描いている途中で別のイメージを描きはじめ,最終的にキメラ的なイメージが出現するという形となって表れた。しかし,そのようなイメージが可視化され,セラピストと共有されることによって,クライエントの一つのイメージを描ききる力や集中する力が育まれ,自分自身をはっきりさせることに繋がった。現代的な対人恐怖の心理療法において,イメージはこうした役割をも果たしていると考えられる。</p>
収録刊行物
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- 箱庭療法学研究
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箱庭療法学研究 32 (3), 27-41, 2020
日本箱庭療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390848250115648512
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- NII論文ID
- 130007852152
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- ISSN
- 2186117X
- 09163662
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可