紫外線防御化粧素材としてのオリーブ樹皮エキスの可能性

  • 岸本 憲人
    小豆島ヘルシーランド株式会社 オリーヴ健康科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Olive Bark Extract as a Potential Cosmetic Sunscreen Agent with Combined Photoprotective and Skin-Care Properties
  • シガイセン ボウギョ ケショウ ソザイ ト シテ ノ オリーブ ジュヒ エキス ノ カノウセイ

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抄録

<p>近年,地表に到達する紫外線量が増加している中,社会的に高齢化も進み,皮膚がんや光老化などの皮膚への紫外線障害の増加が懸念されている。そのため紫外線防御の必要性が広く知られるようになり,紫外線防御効果を有する化粧品の需要が高まっている。本研究では,植物エキスのようなナチュラルサンスクリーン剤の開発を目指して,オリーブ素材(果実,葉,枝,樹皮)に着目した。各オリーブ素材由来のエキスからSPF値を指標としたスクリーニングを行った。オリーブ樹皮エキス(OBE)が最も高いSPF値を示し,UVA・UVBの全波長領域をカバーするブロードスペクトラムな紫外線吸収剤としての可能性が示唆された。OBEの紫外線防御活性は物理化学的に安定であった。さらに,OBEは,細胞外マトリックス分解酵素活性の阻害作用,正常ヒト表皮ケラチノサイトにおける紫外線保護作用,正常ヒト線維芽細胞の賦活作用,B16メラノーマ細胞におけるα─メラノサイト刺激ホルモン誘導メラニン産生抑制作用を示した。以上より,OBEは紫外線防御作用ならびにスキンケア作用を有していることから,化粧品素材としての可能性が示唆された。</p>

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