マツノザイセンチュウのクロコブゾウムシへの乗り移り

DOI
  • 前原 紀敏
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
  • 小澤 壮太
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 神崎 菜摘
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所
  • 升屋 勇人
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Transfer of <i>Bursaphelenchus xylophilus</i> into <i>Niphades variegatus</i>

抄録

<p> マツノザイセンチュウを含むBursaphelenchus属線虫の分子系統解析により、ゾウムシやキクイムシに分散型第3期幼虫で便乗する線虫から、カミキリムシに分散型第4期幼虫で便乗するマツノザイセンチュウ近縁種群が進化してきたと考えられている。演者らは、「カミキリムシの便乗に特化した分散型第4期幼虫の誕生が、マツノザイセンチュウ近縁種群とカミキリムシを結び付けた」という仮説を立てた。仮説検証の第一歩として、第61回日本応用動物昆虫学会大会において、クロコブゾウムシに分散型第3期幼虫で便乗するB. niphadesはマツノマダラカミキリに乗り移れないことを報告した。今回は、人工蛹室でB. niphadesまたはマツノザイセンチュウをクロコブゾウムシと組み合わせた。その結果、クロコブゾウムシの存在下でB. niphadesの分散型第3期幼虫が多数出現して虫体に乗り移った。一方、マツノザイセンチュウの分散型第4期幼虫もクロコブゾウムシの存在下で少し出現して虫体に乗り移る場合もあった。以上より、分散型第4期幼虫はカミキリムシへの便乗に特化しているわけではなかったが、仮説は概ね支持された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250131659904
  • NII論文ID
    130007880495
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_200
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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