ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた薬剤の収縮評価方法の最適化
書誌事項
- タイトル別名
-
- Optimization of assessment method for drug induced contractile response in human induced pluripotent stem cell-derived cardiac cell sheet-tissue
説明
<p>[背景]ヒトiPS細胞由来心筋細胞(以下、hiPSC-CM)を用いた薬剤の収縮評価には多くの課題がある。陽変力作用が検出しにくいこと、一部の薬物では生体の有効濃度に達する前に拍動停止してしまうことなどである。これらの解決のために電気刺激を用いて、最適な実験条件の検討を行った。</p><p>[方法]温度感受性培養皿で培養したhiPSC-CMをフィブリンゲルへ転写しhiPSC-CMシートを作製した (Sasaki et al. PLoS ONE. 2018; 13(5): e0198026)。hiPSC-CMシートを張力測定装置へセットし、自律拍動下と1Hz刺激下で収縮力と拍動数を測定した。薬剤評価は次の条件で行った;(1)自律拍動下、(2)プレコンディショニング無の1Hz刺激下、(3) 72時間2Hzプレコンディショニング後の自律拍動下、以上3条件である。プレコンディショニングによりhiPSC-CMシートは、force-frequency-relationshipsが負から正へ変化した。</p><p>[結果](1)Ca2+チャネル遮断薬(verapamil)とHCNチャネル遮断薬(ivabradine)はプレコンディショニング無の自律拍動下での薬剤評価ができた。(2)hERG チャネル遮断薬(dofetilide)とNa+チャネル遮断薬(mexiletine, ranoladin)は1Hz刺激下で測定することで、高濃度域での拍動停止を起こすことなく測定ができた。(3) βアドレナリン受容体刺激薬(isoproterenol, dobutamine)はプレコンディショニングで収縮力がより増大した。</p><p>[結論]最適な刺激条件を選ぶことで、異なる作用機序の薬剤であっても薬剤評価が可能と本研究で示された。今後は抗がん剤等の評価も行っていきたい。</p>
収録刊行物
-
- 日本毒性学会学術年会
-
日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-83E-, 2020
日本毒性学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390848647545192832
-
- NII論文ID
- 130007898531
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可