核酸アナログ医薬品におけるin vitro催奇形性評価系の有用性
書誌事項
- タイトル別名
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- Usefulness of in vitro embryogenesis to assess teratogenic effect of nucleic acid analogues
抄録
<p>ファビピラビル(アビガン)やレムデシビル等の核酸アナログ医薬品はヌクレオシドまたはヌクレオチドの類似体構造であり,宿主の細胞内にて三リン酸体に変換されウイルスRNA/DNAに取り込まれて抗ウイルス活性を発揮する.コロナウイルスを始め様々なウイルス感染症に対する治療薬として期待されている一方で,しばしば催奇形性が認められるが,医薬品の安全性に対する要求が高まる中でその回避は非常に重要である.本研究では核酸アナログの催奇形性評価におけるin vitro全胚培養法(WEC)の有用性を検討した.</p><p>妊娠9.5日のラットから胚を摘出し,化合物を添加した培養液中で48時間培養した.その後,実体顕微鏡下で観察し,胚の形態及び発生の進行度を評価した.</p><p>ラットで胚・胎児発生毒性が認められるプリンヌクレオシドアナログのリバビリン及びエンテカビル,ピリミジン塩基アナログのフルオロウラシル,プリン塩基アナログのファビピラビルについてWECを実施したところ,ファビピラビルのみ胚に異常が認められなかった.次にファビピラビルリボース付加体,リバビリン脱リボース体のWECを実施した結果,ファビピラビルリボース付加体のみで胚に異常が認められた.このことから,核酸アナログによる催奇形性の原因はヌクレオシドまたはヌクレオチド体であり,WEC条件下ではプリン塩基アナログのホスホリボシル化が十分に生じないことが示唆された.一方,ラットで胚・胎児毒性を生じないヌクレオシドアナログのGS-331007はWECで異常が認められなかった.</p><p>以上より,本系はプリン塩基アナログへの適用においては注意を要するものの,核酸アナログの催奇形性評価に有用であり,医薬品開発の初期におけるリスク把握が期待できる.今後,本系におけるホスホリボシル化酵素の機能解析を行うことで,プリン塩基アナログのWEC偽陰性回避法について検討を行う予定である.</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 48.1 (0), O-38-, 2021
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390851961197783936
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- NII論文ID
- 130008073630
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可