牛肉品種別食味特性に寄与する因子の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Factors that contribute to the sensory characteristics of each beef breed
抄録
<p>【目的】牛肉の食味特性は品種により異なるが、一方で品種間の交錯や品種内の相違がみられることがある。本研究では分析型官能評価により牛肉の食味特性を品種間あるいは品種内で比較し、品種別牛肉のおいしさに寄与する因子を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】試料は牛肉281頭(黒毛和種175頭、褐毛和種21頭、交雑種28頭、日本短角種11頭、乳用種22頭、海外種24頭)の胸最長筋部(1cm厚)を用い、200℃で中心温度60℃まで加熱後に室温で冷まし、3×4cmに整形した。分析型官能評価は訓練パネルのべ39人によりテクスチャー、香り、味と総合評価の計15項目を8段階で評価した。評価値の比較はSPSS22.0Jを用いて一元分散分析後にTukey検定を、主成分分析はJUSE-State Works V.5を用い、PLS回帰はJMPを用いて考察した。</p><p>【結果・考察】総合評価は黒毛和種が他5品種より高値を示し、それに次いで褐毛和種、交雑種・乳用種、日本短角種・海外種の順に高値であった(p<0.05)。黒毛和種は「やわらかさ」と「多汁性」、「脂っぽさ」のテクスチャー項目、「悪い牛くささのなさ」等の香り項目で他5品種よりも高値であり(p<0.05)、PLS回帰において総合評価に寄与する因子は「風味の強さ」「総合的な香り」等の香り項目、「総合的食感」であった。また、黒毛和種の中でも褐毛和種、交雑種よりも総合評価が低いものは、「香ばしい牛の香り」や「うま味の強さ」の評価が低いことが挙げられた。そこで、黒毛和種で評価の低いもののうち、「脂っぽさ」評価の高い群は低い群よりもうま味項目において低値であった(p<0.05)。このことから黒毛和種の評価の低い群は脂が多すぎる牛肉であると示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 (0), 71-, 2021
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390852252714926720
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- NII論文ID
- 130008085737
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可