音響放射圧照射による赤血球凝集破砕効果及び損傷評価

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タイトル別名
  • Crushing effect of red blood cell aggregation by acoustic pressure and evaluation of cell damages

抄録

<p>赤血球の凝集作用は血液粘度の上昇と連動し、人体内だけでなく、人工心肺や人工透析といった体外循環装置内においても血流の阻害要因となる。我々は可聴域より僅かに高域にある28kHzの超音波発振子から発される音響放射圧によってこの赤血球凝集体を破砕することを試みている。本研究では、(A)赤血球間の結合力<音響放射圧<赤血球細胞損傷閾値となるような発振パワーの探索、(B)時間の関数でもある赤血球細胞損傷の評価、を行った。損傷程度は形状及び機能の両観点からの評価が必要であるが、本研究では形状に限定して段階評価を行い、(1)形状を保持、(2)膜損傷により形状変化、(3)形状消失(溶血)、の3段階とした。上底の直径24cm、下底の直径16cmの円錐台形ポリスチレン容器の下底中央に直径5.8cm、中心周波数は28kHz、最大出力60Wのトランスデューサを敷設した。この容器内に水及びブタ血液を満たした場合の音圧分布をハイドロフォンを用いて測定した。次に、ブタ血液にデキストラン70を加えて赤血球を凝集させ、そこに本装置による超音波照射を行った。中心周波数20MHzの超音波ピーク周波数計測法により凝集破砕が確認された。28kHz超音波の照射パワー及び時間をパラメータとして赤血球損傷を顕微鏡観察による膜損傷比率、ヘマトクリット測定によって溶血度を測定したところ、いずれも照射パワー及び時間の増加に伴って上昇した。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 523-523, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390852714994269056
  • NII論文ID
    130008105530
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.523
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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