膜状の弁尖をもつ人工心臓弁の開発(弁尖の力学的異方性が弁機能におよぼす影響)

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タイトル別名
  • Development of Artificial Heart Valve with a Membranous Cusp (Influence of Mechanical Anisotropy)

抄録

<p>我々の研究グループでは,生体内組織形成術(iBTA)を用いて心臓弁様組織体(バイオバルブ)を開発してきた.先行研究においては,iBTAで作製される膜状組織体(バイオシート,以下BS)を弁尖として,僧帽弁の人工弁輪を模倣した楕円状リングを土台として縫い付けた新しい概念の人工弁を試作し,弁機能を評価してきた.しかしながら,弁の構造により弁開口性能と閉鎖性能を両立させることが難しかった.本研究は,新たに異方性を有した膜状の弁尖を試作し,先行研究と同様の簡易型人工弁を作製することで,弁尖の力学的異方性が弁機能におよぼす影響を調べた.</p><p>弁機能評価では,作製した生体外模擬実験装置を使い,実験条件はヒト生理条件とした.BSの作製には約2ヶ月必要なため,BSを使って実験することは効率が悪い.そこで今回はBSと力学特性が違いポリウレタン製シート(以下PS)を使用し,等間隔かつ平行にならべたNi-Ti線を2枚のPSで挟み込み,熱加工でPS同士を融着させ,それを所望の形状と大きさに切り出すことで異方性を有する弁尖モデルとした.実験では,弁尖の曲げ剛性が高い向きとそれを縫い付ける弁輪の位置関係および,人工弁輪を模したリングに対する弁尖はみ出し量e=0~3mmを変化させ,各条件において左心房圧と左心室圧,僧帽弁位流量を測定し,人工弁の国際規格であるISO5840に基づき,弁閉鎖性能として逆流率Rf,弁開口性能として平均圧較差Δ p,有効開口面積EOAを評価した.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 272-272, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390852714994811776
  • NII論文ID
    130008105159
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.272
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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