反知性主義とアメリカン・デモクラシー

書誌事項

タイトル別名
  • Anti-intellectualism and American Democracy
  • 反知性主義とアメリカン・デモクラシー : R・ホーフスタッターの議論を手がかりとして
  • ハン チセイ シュギ ト アメリカン ・ デモクラシー : R ・ ホーフスタッター ノ ギロン オ テガカリ ト シテ
  • Considering R. Hofstadter’s Theory of Anti-Intellectualism in American Life
  • R・ホーフスタッターの議論を手がかりとして

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説明

<p> 「ポスト真実」、特に「トランプ現象」を受けて、本稿は、ホーフスタッターの「反知性主義」論に依拠して、アメリカン・デモクラシーおよび民主主義の課題とゆくえを展望する。「トランプ現象」をめぐっては多くの議論や解釈がなされており、「ポピュリズム」、「グローバリズム/反グローバリズム」などの文脈で論じられることが多いように思われる。筆者は、「トランプ現象」を理解するために、ホーフスタッターが『アメリカの反知性主義』において展開した議論が有効であると考えている。本稿では、ホーフスタッターが「ニューヨーク知識人」の一員であったことから、ニューヨーク知識人としての側面にも着目しつつ、反知性主義についての彼の考察を通じて、「ポスト真実と民主主義のゆくえ」を展望したい。</p><p> 本稿の議論は以下のように進める。第一節では、ホーフスタッターが属していたニューヨーク知識社会について概観し、ホーフスタッターの反知性主義論はマッカーシズムを背景に書かれたことを確認する。第二節では、さらにホーフスタッターを含めた「ニューヨーク知識人」のマッカーシズム論を考察し、ホーフスタッターの議論の内容と背景を理解する一助としたい。特にR・ホーフスタッター、S・M・リプセット、D・ベルの分析を取り上げる。第三~五節において、ホーフスタッターの『アメリカの反知性主義』の議論を追いかけながら、アメリカン・デモクラシーの特質について検討する。</p>

収録刊行物

  • 社会学研究

    社会学研究 103 (0), 21-43, 2019-10-16

    東北社会学研究会

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